ふりかえりふりかえり/白井明大
 
」ということをつきつめて、どこに行き着いたのでしょう。

 鶏頭の十四五本もありぬべし

斎藤茂吉が賛意を示し、高浜虚子は否定したそうです。
ぼくは好きです。

なんてことないものがすきなのです。

たとえば正岡子規のこんな俳句もすきです。

 つらなりていくつも丸し雪の岡

            (寒山落木 巻四)

ひらがなからたらたらとはじまって、書いてある情景も、雪で丸くなった岡がいくつもあるよ、とそれだけのことというのに惹かれます。

ぼーっとみているような句のまなざしに、こちらもぼーっとしてる間に同化してしまいます。
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