ねむる/竹節一二三
 
木目の顔はきみ
横になるたび
天井にうつる

深爪のゆびを
きみに伸ばす と
枕元で なぜか
目覚まし時計がなる

きみはどこにいるの
答えず微笑んだままに
人差し指の月に照らされて
わたしのちくびは浮き上がる

時計を止めて
時間を戻す
眼鏡をはずし
目蓋をおろす

きみは天井にいる
わたしは畳の上
部屋の空気はふくらんで
きみとわたしをとおくする

右手と右足
左手と左足
髪の毛先から足のつま先まで
重くなり深くなり
わたしは眠る

遠いきみのもとへ

眠りはつなぐ
目のうらの冷たい光を追って
頭を枕にこすりつけ

赤と青の 丘を 越え


白い 夢に  たどり着く


遠い
  きみの


      もとへ

 お

     ち 




   る
戻る   Point(3)