「抱」/長谷川智子
今は
帰りのエクスプレス
成田で別れた
今も焼き付く蛍光灯の真白
新宿駅のホームを踏んだ数なら負けない自信が、ある
薔薇のポートレイト
「デューン・プール・オム」が残る部屋
無邪気な笑顔と寝顔とやあらかい空気
シリアル ジャンクフード
年に続けて2日取れればマシな休みにプレイしたハンゲーム
すべてが鮮明なままの記憶
睫毛と頬が触れる距離になってから3年半
次の10月を迎えられなかった
滴るものの熱さ
昨日まですぐそばにあった温もり
確実に宿ってる
確かに
あんたには向こうの暮らしが大切で
見せてくれたあんたのプライベートスナップ
ともに納まる黄金色
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