「ぬくもり」 ver.2.5/長谷川智子
気づくと隣りに寝息
昨日一緒にいた子
寒くなるといけないと思い
クローゼットから毛布を持ち出す
かけるなり伝わるぬくもり
女の子の匂い
白いやわ肌がもたれて
きゅんとなりぎゅっと抱く
うなじに甘え
思い余って口づけ
あ!
向こうのあいつになじられる
やばい
ん?ここは?
見なれない部屋だなぁ
あったかいな・・・
え?
嗅ぎなれない毛布の匂い
ふにふに・・きもちいい
「目ぇ覚めたか」
「おはよ」
「アキヒロとはどうなの?」
「うまくやってるよ」
「まじで?」
「…。」
やぶれかぶれになったあの日から
しないと決めたはずが
抵抗むなしく
一瞬ゆるんで許してしまった
遅い
ぬくもりに融けた
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