昨日は孤独な世界?/錯春
倒錯する渇望の交差する点のみを見据える視点について。
醜く醜く醜くあるように。
美しく美しく美しくあるように。
それらはとても似ている。ミナは実際にそのどちらの欲望も持っていた。彼女の生まれ着いての情緒不安定さが、夜布団に潜り込む前に、決まってそれらの呪文を唱えさせる。
(明日は今日より醜くあるように)
夜の暗さがミナを自虐的な方向へ押しやるのではない。夜になると、暗さに紛れて地べたにベトベトと癒着していく若者(またはその若者達の汚れた爪の垢、また、露骨なスケベ心)が、彼女の敏感な神経を削りたてて、それらの呪文を唱えさせる。
ミナの姿を文章に比喩させようとしたとき、
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