凍える声/かえで
−1.青の頃−
沢山の顔
溢れんばかりの
闇 病み ヤミ
黒に支配され始めた僕は
やがてくる悩みにうたれた
終末のような薬の数は
僕を支配することなく
机の上に転がるばかり
僕は部屋に釘を打ち尽くした
−2.内緒−
君は僕を慰めも交えておだてに容赦ない
「だいすき」
「かわいい」
君も僕も欠片を離したら
自分を完全に失いそうな恐怖症だから
お互いを勇気付けて
明日に橋をかける
でもひとつ言いたい
僕にとって“かわいい”はけして褒め言葉ではない
−3.夕闇−
目覚めた僕は闇に埋もれていた
明かりをともすことが出来たので心
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)