昨日は孤独な世界?/錯春
緩慢な衝動を抑制する際に生じる痙攣的な視点について。
何度呼び鈴を鳴らしても、つい数時間前まで恋人だったはずの人間が電話に出ることはなかった。
ミカヨはうんざりしていた。
身体中から魚を炙ったような臭いがしている気がしたからだ(実際には、それは魚ではなく紛れもない人間の体液から発する臭いだった)
世の中には、何種類か人間がいる。
ニキビができやすい、とか。痔になりやすい、とか。やたら愚痴をこぼされる、とか。陰口を言われている場にうっかり遭遇、とか。妊娠しやすい、とか。あと、何か色々諸々。
ミカヨは、輪されやすかった。
直接的な言葉を使えば、彼女は今回でレイプ経験が三回目だ
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