昨日は孤独な世界?/錯春
 
いから。
彼はそこらへんの微妙な心理を、熟知していた。

(ここで「本当はお前のことが好きなんや!」って、この窓を思い切り開けたら、あいつらびっくりして膣痙攣起こしたりするかしらん)

愚弄なことを考えながら、カンスケは向かいの大きな一軒家を眺める。
一軒家には、色素が薄い、線の細い、顎が尖った、浮かび上がった骨がシャーペンの芯のような、そんな子が住んでいた。
つまり、その子が男か女か解らなかったが、そんなことはカンスケにとってはどうでも良かった(実際彼はどちらともセックスの経験があった)
ピンと来たのは、自分と似ていると思ったからだ。
人は似すぎていると愛し合えないが、そこそこ
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