昨日は孤独な世界?/錯春
い。
(ベッドのバネが軋む音が静まる)
カンスケのペニスは痛いほど勃起していた。
向かいの大きな一軒家のあの子と、一発ハメテみたいと、無意識に願ったからだ。
彼は自分のペニスを「困ったもんだ」と軽蔑する。
(ああそうですよ、あの子とエッチしたいです。明日のゴミ出しのとき、偶然会えたりしないかな。そしたらなるたけ人懐こい笑顔で挨拶しよう。不純でしょーか
神様?)
誰も咎めたりはしない。
もとより、多くのことは今更咎められたりはしないのだ。
神様をみだりに呼んだりしても。
それでなくても彼の願いは純粋だ。
「ホテル代、昼飯おごってちょ」
カンスケは窓を開けて、下着だけをまとった友人カップルに笑いかける。
なぜ、彼は窓を全開にしたか。
ただ単に。
空気の入れ換えをしたかったからだ。
精液と潤滑液と唾液の臭いが染み付く前にすみやかに。
戻る 編 削 Point(0)