コミュニケーションとは最初の15秒かどうかについて/渡邉建志
なにも汚い膿のような僕をなぜそれでも好きだというのか。好きならどうしてこんなに一番言われたくないばかりを責め立ててくるのか。しかもそれはもはや反論ができないことばかりだ、なぜならそれには僕の欠点と言う動かしがたい証拠がある。反論すれば自己弁護になる。そして僕は押し黙る。彼女は言う。あなたは過去の話と映画の話しかしない。いや、本の話だって、とぎりぎり抵抗すると、難しい本でしょ、興味ない。いや、夏目とかも、ううん、興味ない。それではなぜ好きなのか。人はほめられず貶され続ければ萎縮してその人を見るだけで動けなくなってしまう学習効果があるということを知らないのか。でも僕にはその一言はいえない。僕は真理など
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