眩しさと、ひとごと/れつら
 

色めく
粒が柔肌をついとなぞり
穂先を白く削っていく

時が経てば
損なわれるのだろう、瑞々しさ
それは私ではない
かつての私でもない
まだ若い肉体は
これからも若く生まれつづけ、育ち
老いていくのは身体
老いている身体

竹林は地脈でひとつに繋がっている
別々の出来事をひとつの言葉でくるむように
春を知ったふうな口をきいて
大地の芽吹くさまを思い
掠めていく鳥が雲を乱していく
涙腺に傷が入る

公園には
手綱を放された犬が駆け
彼らは咬まない
おさない娘や
まだ力ない少年を
物知りな犬よ
倦め



色覚を欠いたものの、
踊るまぶ
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