PoorPoor/影山影司
とのペラペラのプアプアに戻る。喫茶店も同じように戻して、すべて揃えて物置にしまいこむ。コーヒーの匂いだけが残り、元通りの倉庫となり、ライトが消えると、薄暗く寒い。
「じゃあ、全部終わったんで帰りますね」
カメラからテープを回収するヂレクタの後ろを通り過ぎる。そこではたと気がつく。
この倉庫に出口なんてあったのか?
「芦人クン」
呼ばれて振り返ると
「おつかれさーん」
肩をたたかれた、とたん、体の動きが止まる。薄暗い。
へにゃへにゃと視界が沈む。ここは一体どこなのだろうか。
そもそも俺は誰なんだ?
低く低く沈んだ視界ではヂレクタの穴あき靴と綿埃の積もった床しか見えない。
手足を折り畳まれる。
ヂレクタの格好はまるで泥棒だとか浮浪者のようで
そもそも俺は誰なんだ?
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