そろそろとみえない糸をたぐりたぐり/白井明大
うかという話はおもしろく感じられる。
*1そうした書き方は、定型が自由をもたらす、という物言いと似たところに、自由さやおもしろさがあるのではないかと思えて、それらはまだ、内在律として説明される自由詩のなかに、明確な位置どりがなされていないものなのかどうなのか、という関心がまた生まれてもくる。このことは、実際の詩作をつうじて、まずはどうなのかを自身で感じられたらと思う。
*2既存の詩型という言い方がおおくくりでいけないのかもしれないが、定型というものがないことを始点にし、なお定型がないのに詩型はあるとでも言いたくなることばのありようを想起できるとしたら、それはそれでおもしろいことだと思え、ひるがえって自由詩に、どうあればどうなるといった、ゆるやかな型のようなものが、あるいは「読み手の側の蓄積によって、こういうものが詩であろうかとする読み手の期待の延長上に定型性が立ち現れてくる」といった可能性がかたちを帯びたようなものが、生まれているのかどうかといった関心に派生していくのなら、なお面白いように感じる。
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