7/カフカ
「人間は皮膚と血管と骨と汚い汁でできているんだよ」
ハシはそう言いながら木の枝で砂いじりを始めた
「それでね、その汚い汁は人間の真っ白なところをだんだん侵食していって、最後は臭くて汚い塊になるんだ」
木の枝で何か複数な模様のようなものを描いたかと思うとそれはたちまち単純な記号に変わった
「その塊が脳ミソや心臓に詰まって僕たちは死んでいくんだ、そうは思わない?」
砂いじりの手を止めてハシが顔をあげた
「もちろん、死んでいくっていうのは寿命が尽きることじゃないよ、心が鉄みたいにガチガチになって動かなくなったり、麻薬中毒者の脳ミソみたいにふにゃふにゃになって溶けてなくなることなんかだよ」
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