夜のナイフ/ブライアン
、笑い声を伝える。どこまでその声は届いたのだろう。少なくとも、隣家の人には届いてしまった。隣家の窓から怒鳴る声がする。急いで窓を閉める。午前1時20分、夜は雪を降らしていた。
夜が明ける。静寂は訪れなかった。窓から強烈な光が差し込む。地上の雪が光を一層輝かせた。眠っている者、テレビゲームをしている者。携帯電話が鳴った。眠りから覚めた彼女は、友人を揺り起こす。起きている者に、帰っから、と伝えて部屋を出た。ナイフが転がっていた。ビールの空き缶と同じように。締めの言葉など思いつかない。いまだに、誰のためにも死んではいない。その夜から絶えず、続いているだけだ。
戻る 編 削 Point(2)