行く人は知らない/K.SATO
誰もいない部屋で
考え込んでいる君へ
航海するだろう
ない真珠の輝きを求めて
窓にいつも体
人気のない夢で
思いを女へと
想像し
重ねようとした子供の顔に
僕は一人っ子だった
あの頃の寂しさはおもちゃで
次は辛さの中のダイヤ
船の上
光に立ちつくしていたことは
モアイになっていた
石に彫られた顔は
笑っていたりと炭色で
死の意味だったが
生け贄のためだったが
疲れだけで行く人は知らない
知らないだろう景色に
僕の体のある場所を
輝きの白さに
僕の船が行く夜を
月や光がなす円を
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