ありかた/見崎 光
 
小指の先ほどに小さな炎でも
肩を寄せ合えば
暖かい

ときに
大きな炎に体を預け
読書を嗜むもいいだろう


大きさでも形でもなく
たとえ細々としていても
そこに灯火があれば
凍えずに済む


ひとりが寂しい夜があるように
ひとりが恋しい夜もある

ふたりが愛しい休日があるように
ふたりが苦しい休日もある


善し悪しは常に移り
気紛れだけれど
そこに確かな炎が一つ
あればいい


見失いそうになったり
溺れそうになったり
それぞれの灯りは
紆余曲折しながらも
丁度良い炎に収まる

そんな…

焚き火のような
心地よい炎に身を捧げて
絵を書くもいいだろう



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