プログラミング・オレンジ/セルフレーム
けれど
それは
苦しいほどに
彼女を
愛おしいと思っていたからでした。
僕らはお互いに背中合わせをしているのに
拒まれる恐怖から
繋がる事を拒みました。
彼女と出会って1年が経とうとしていた中
彼女は
空に消えました。
一番言いたかった言葉が
一番伝えたかった想いが
詰まって
苦しくて
その結晶が
瞳から零れ落ちました。
本当に
本当に?
本当に・・・?
夕暮れの色が、
鏡の向こうで消えました。
神様
神様
神様
彼女を
彼女の生きた証を
彼女の存在を
世界の記憶から消さないで下さい。
僕らが出会えたあの夜を
僕らが別れたあの朝を
世界の記憶から消さないで下さい。
カシオペアが揺らいで、消えて
一つの星が終わりを告げて
そして
また
プログラミング・オレンジ
「愛してる」
が言えない僕が
何度目かの
朝を迎える
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