敵を知り己を知れば…仲仲治さんに恐る恐る話しかけてみる/石川和広
 
こわさです。仲良くなることを共倒れと勘違いしたり共依存になると非常にしんどい。私にも身に覚えがあります。だから距離や礼儀というものがあり、これは安全装置です。恋愛や深い関係に入るときはこの距離を踏み越えますがそれは誰にとっても不安定な状態です。届かないのにいい続ける。相手は押し付けられていると感じる。知らぬ間に相手に例えていうと相手が自分を好きでないのにしつこくつきまとうように見える場合もあります。

話を戻すと私たちは誰かが死ぬと心が痛みます。けれど、実際きわめて関係が薄い他者がいるわけです。また本来他者とは近しい隣人であると同時に、境遇を異にする自分とはまるでちがう人です。その事実を見失い
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