コトバをみがく/山崎 風雅
 
 目の前に舞い落ちてくる花びらにさえ
 おびえていた
 自分に与えられる喜びに
 見当違いの手紙が来たときのような
 戸惑いを抱えつづけていたのは
 おそらく
 光に目をつむることで
 許されようとしてたんだろう

 心のそこでうずく痛みはなくならないけれど
 今だって
 花の匂いには戸惑うのが心情だけれど
 心に咲いて揺れるこの花だけは
 もう粗末にしたくないんだ

 それをおもしろくないと
 責める人を救えるのは
 僕じゃなかったんだ

 コトバで傷つき
 だから
 コトバに復讐してきた
 
 コトバなんて
 いらないなんて
 思っていた
 今でも 少し・・・
 
 コトバがある以上
 コトバをみがきつづける
 
 でないと

 生きられないから

 花がしおれてしまうから







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