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カフカ
階段をのぼる事を諦めたぼくは
目を瞑り壁にもたれ掛かることにした
壁はぼくを堅く柔らかく受け入れてくれた
まるで、泥の中に沈んでいくような密着と深い解放感がそこにはあった
体が壁にのめり込む
夢なのか現実になのか両方なのか判断できない
ただ温もりがだけが強くなる
もう、戻ることはないだろう
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