誰もいない部屋で/K.SATO
誰もいない部屋で考えていることが
いつも考えていることならば
僕は
光のさなかに駆けていく
正しいことはしいたげられてきた
どんな目にも
正しいことはあったのだが
ああ人よ
あれは山手通り
心を中目黒へつないでいく
マンハッタンへ
超高層ビルのそびえ立つ空
この目を映した
肉
多すぎる量の
サワークリームソース
まずかった食べ物
人々は陽気でわけもなくはしゃいでいるがどことなく目の奥に寂しさがあった
彼らは祖国を離れてきた
僕は知らない
何ひとつ
民族同士の紛争
バナナの木
スラムの掘っ建て小屋で暮らす子供
スラング
隠されたドラッグ
何も
僕は何も知らない
光がとてもそそいでいる日曜の窓
日本はのどかなのかなのだよ
声がひびく
昨日のことより明日のこと
なにもかも忘れて
ひびく
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