「宏美の心配」/菊尾
た。ただ彼女が頼んだココナッツジュースが底をついていた。
うむ。依子め。冷やすことで伸縮を食い止めたか。この娘、出来る!カッ!ちょっと目を大きくしてみた。べつに誰も見てないけど。
「あれ?よっ・・・ちゃん。なんか、あれ?おっきくなってない?そんな身長高かったっけ?」
友人である智代の目敏さときたら・・・しかしそんな対応にも依子はすっかりお手のものだ。
「えぇー?知らないの?このジュース飲むとおっきくなるんだよ?」
なに言ってんのー?さぶいんだけどー。ええー?面白いってー。そんな会話が行きかう中私は俯いて笑いを堪えた。
「そこ、何笑ってんの。宏美っ!」
ちっ、一人愉しむことも許さないの
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