映画日記、ただし日付はてきとう2/渡邉建志
 
ただ、心が休まるシーンがないわけではなくて、たとえば最初の小さい恋人たちとバルタザールが藁の中でいちゃついているシーンはたまらないし(バルタザールはいやがっていそうだったが)、バルタザールがサーカスに雇われるときの、ライオンや像や猿との対面のシーンは、くすっときた(相変わらず映像は寡黙なのだけれど、バルタザールの瞳を撮り、ライオンの顔を撮るその切り返しのタイミングとか、そういうのがじつに、くすっとくる)。それにしてもバルタザールはむしろブレッソンに酷使されたのではないか?足を引きずったり、血を流したり、挙句の果てに死んだり、大丈夫なのか?人間から演劇的そぶりを奪ったブレッソンが、ロバという存在を撮
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