イルカのダンスポップ/詩集ただよう
 
雌雄同体のイルカが真冬の海にひるがえる。真冬の街はシャンシャンとしていて、朝の日差しは銀色。枝にぶら下がるさなぎは、そのあまりの銀色に目を眩ませる。ひゅうんと零気が透き通りキャンドルナイトを固体化させる。昼下がりを抜けるともう虹色で、昨日の雨はまだまだ上がったばかり。雄だ雌だと騒ぐならいっその思いで潜りなさい。おかげでイルカの気が晴れて、銀色輝く博多湾。そろりと貝が泡ふき歩く。空がとても高い日に、渡り鳥は急ぎで支度。蛇はニラミを利かせながら若い子ネズミひと思い。雄だ雌だと騒ぐなら、真冬、しんしんと鳴る。

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