悟った後で何を書こうか/キリギリ
に照らされた街。建築物は例外なく男性器であり
到達できない物悲しさと諦めない強さをまとっている。
私は歩いている。女性専用車両のような雑踏は男女比1:9の
ベストバランス。もうちょっと混雑してくれないか、と頼むと
両脇のビルからOL等が溢れ出し私をもみくちゃにする。男女比0,2対9,8。
私はもみくちゃにされる。厚着に見える彼女らの制服、カーディガンは
後ろのジッパーを下ろすだけで全て落ちる。そのためにジッパーは下りる。
ハプニングが良い、と呟くと皆一斉に転ぶ。太ももが露になる。
空から2万匹の蜘蛛が降りてくる。幸福になりたい、と糸をよじ上る
彼女らを見上げる。やがて糸は細く長く
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