サン/アローン/石畑由紀子
 



奪われないので
今日もひとり分を生きた
果てのない風船の暗闇で
惑星の君が手をふっている
伸びる道は無限に存在し
いつでも繋がっていると同時に
いつでも一定の隔たりがあり
謎かけのような標識にあふれていた
まぶしそうな敬礼の笑顔に
手をあげて応えようとすると
ほどなく掌は左右に揺れ
信号が変わって見えなくなった
肩越しにまたたく幾つもの粒とともに
いとおしく輝いていたのが最後だった






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