世間の捉え方/岡部淳太郎
世間というのは恐ろしいものです。ある意味、世界よりも恐ろしいかもしれません。世界は大きすぎて目に入りにくいのですが、世間はいつでもそこにあります。そのために、恐ろしさを肌で実感することが出来るのです。世間は恐ろしい。とりわけたったひとりの個人にとっては、ということが出来るかと思います。
個人と世間という単純な二項対立の図式ですが、そのように感じてしまうのは、個人が世間をいつも気にしていて、世間の価値観から微妙にずれてしまう自分を常に感じているからなのです。その世間を社会と言い換えても言いように思えるかもしれませんが、少し違います。社会は必ずと言っていいほど参入の儀式が必要になってきますが、世
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