行先/松本 涼
 
国道の上で
灰白色の雲たちが
渋滞している

その下で
私の行先はどこにも
決められてはいない

恐らくそれは
初めから


私はひととき
歩みを止め

道の脇でそれぞれに
伸びることを止めない
木々たちの

生まれたばかりの
青い芽と

今にも燃え落ちそうな
焦げ茶色の葉を
見つめながら

音のない風に
凭れている


どこへ
行こう

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