からから物語/桃色イルカ
 


君から微笑んで
僕から挨拶をした


君から冗談を言って
僕から笑った


君から見つけて
僕から近寄った


君から走って
僕から追いかけた


君から好きになって
僕から手をつないだ


君から温めて
僕から安らいだ


君からキスをして
僕から抱きしめた


君の肩越しにみた空は
僕の心見たく桃色で
どんなものよりも麗しく
どんなことだってちっぽけに思えた




旅を告げたのは君からで
僕からさよならを悟った


君から寂しいと叫び
僕から孤独を感じた


続きがあると君が謡い
終わりが愛だと僕から目をそむけた


君から逢いたいと言い
僕から離れた


僕から隠れて
僕から泣いた


僕から逃げて
僕から忘れて
僕から思い出す




君と僕の物語
それは君から からから音をたてて
僕から からから崩れ去ったんだ
僕は声も 涙も 心も からからで
からから散って
からから笑ったんだ
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