護るべき砦/セルフレーム
異国の土の上で、貴方は戦っていました。
壊れかけている要塞の一番上で、アーチャーとして戦う貴方は、
いつか見た神話の
争いの女神によく似ていました。
貴方は装備もあまり整っていなくて、
腕や足や手などが血に塗れていました。
足場は崩れて揺らぐというのに、
貴方の意志だけは、
揺るぎ無い
昔同じこの場所で戦った
「乙女」の瞳(ほのお)のように
綺麗に
しっかりと
燃えていました。
要塞が陥落する瞬間、
呑まれて
消える
人の
淡い篝火の中で
貴方は
笑っていました。
護るべきだった砦は
堕ちてし
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)