通俗ホラー詩 「鉄輪」/右肩良久
邪悪に眼を細めてまず腕を切り落とすんだよ。いいかい、そいつが悲鳴を上げたらお前はうんと気持ちよくなるからね。嬉しくてにやっと笑うのさ。唇だけになった顔で。血にまみれたナイフの刃先をべろんべろんと舌で舐めるのは映画的でちょっと俗だからさ、どうせならそのままそいつの眼を抉っちゃおうか。瞼を切り落としてから眼球をくじるとうまく丸いのが出てくるけど、そんなことこだわるなよ。ちゃっちゃっとやっちまったほうが快感が脳まで登ってくるのが早いからな。それが終わったらだな、血がべとべとするのを喜びながら、頭の皮を剥がせよ。「でっかいメロン」の歌を即興で作りながらかつ歌え。かつ歌う、って笑えるぞ。次にはどうしようか
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)