【心理学批評】幻聴論/りゅうのあくび
 
近くの神社に特別な祈りを捧げに往こうと思っている。

普通の人でも、強い不安や孤独や不眠や緊張にさいなまれる状況に置かれている場合、幻聴が聴こえる場合があると云う。高い山の中で遭難した時や手術のための無菌室では、幻聴が聴こえるとある本には、書かれている。幻聴を相手にしてはよくない、それは幻聴が、正体不明の声であるからだ、とするのが、その本の趣旨であった。
 
実際には、幻聴を知らない方も多いだろうと思う。それは、ある種の人間には聴こえるし、ある種の人間にはまったく聴こえず、仮に聴こえる場合があったとしても、それは、ほとんど意味を成さない囁きのような耳鳴りであることも多いからだ。どん
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