ツメハギ/
梨玖
ぶちり ごくん
とりあえず噛んで、引き千切って
流れ出た血液は全て飲み込む
消化される時間も
あぁ もったいない
対照的なその鋭い爪が
掻き毟る首
どうして、って叫ぶその瞼が
酷くうるさいから
爪から流れる血を
そのまま落としてやる
そろそろ痛いから
離してくれないかなぁ
この体液も汲んでしまえば
赤くてのひらに絡みつくだろう
偶然に今日だったツメハギ
それを垣間見てしまった君が
今更狂っていたって、そんなの知りはしない
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