祈りを捧げるときには/セルフレーム
 

―聞いた?昨日の話

―教会で孤児が死んでたって話?

―そうそう。
なんでも見つけたのはあの若いシスターだって話よ。

―あら、あの厄介者が?

―神父様が拾ってきた、全然表情がないあの・・・

―何でもピエタの近く―・・・
寄りかかりながら死んでたらしいわよ。

―あの人が見つけたなんてねぇ・・・

―あの人も人の子だったのね―・・・


祈りを捧げるときには


綺麗に飾られた独特の雰囲気が心地よい、
漂う木の香りと空の匂いが混じった、
この教会が大好きでした。

父親は僕が小さな頃に、刑務所の中で死にました。
母親は僕が小さな頃に、
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