見舞い/
たもつ
父の見舞いに行くと言って家を出た
船橋までの直通の快速に乗ったのに
途中千葉駅で降りて映画を見た
アメリカのアクションものだった
無責任に人が死んでいくのが嬉しかった
夏の終わりに蝉が鳴かない
そんな映画が見たかった
見終わると暫くその辺りをうろうろして
結局見舞いに行くことなく帰宅した
どうせばれるに決まってるけれど
言い訳を考えるのも面倒くさかった
何に甘えているのか
父ならわかってくれる気がした
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