つぎに/影山影司
[牛乳を一滴垂らした珈琲に、牛乳が散らばっていく。散らばった牛乳は気まぐれに集まったり、散らばることに飽きたりしない。珈琲が冷めるのに従って……着実に拡散する]
おとなしく大工をやってりゃよかったんだ。モルグルはまだ日も昇りきっていない今、本日六回目の後悔をした。ピーポーの一生はリーダーによって管理されている。明日食う朝食も、今晩見るテレビも。それに何の疑問ももたないが、大工になるのは嫌だった。かといってピーポーを辞めるのも、学問を修めることも嫌だった。(特例として研究の道に進む事は自由とされている)
たまたま適性試験で合格判定をもらった。それだけで戦地に立っている。逃げ込むならも
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