猫唄/梨玖
もうおやすみ とつぶやく こえは
あなたに とどいたのでしょうか
まぶたを とじる しゅんかんに
あなたは なみだをうかべていた きがしたのですが
ろくがつむいかの あめはふりつづいています
あなたがだいきらいな あめのひに
だいすきだった ぼくの うでのなかで
しずかに いきを よわめる あなたに
いきてください と
いうことは もう
ねがうことは もう
どうか なかないで なんて いうのは
どんなねがい よりも わがままで
やさしく さいごに ひとこえあげて
くたり、 ねむっている あなたの
もうひらくことのない まぶたにくちびるを おとして
さよなら
またおなじことばで であえたら いいね
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