実験金魚の理科室/
梨玖
触れた硝子窓は絶対零度
その瞬間から解けていく
元素の化学反応の連鎖
壊れて繋がる、この永遠ループ
フラスコの水面に、泡立つ蒸気
弾けて溶ける 溶けて弾ける
汚れた白衣に薄い日差し
きっと太陽は色素を奪いきれない
置き去りの古い顕微鏡
逃れられない、この硝子拘束具
実験アクアリウムに金魚の群れ
居るの居ないの 誰なの 僕なの
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