無題  …固定された乙女に…/猫八百
 
味で華もなにもない
誰にも気づかれない娘

塾帰り となりの車両に見つける

やはり地味に佇(たたず)んでいるのだが
頬の曲線に視線で触れ
ストレートの髪がかすかに揺れた瞬間

たちまち・・・


?
記憶の乙女よ
しばらくまどろむがいい

目覚めたとて
めまいに脚をふらつかせるがいい

そのまま崩れ落ちよ
雪道で倒れこむ馬車馬のように(注:昔読んだボードレールの詩のイメージ)






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