暗闇に敷き詰めたオレンジ/皆月 零胤
純粋ではない動機
から始まって
純粋な気持ちが
後からやっと追いついた
そんな愛のカタチは
すでに複雑に捩じれ
その崩壊を
待つだけになっていて
暗闇に少しずつ
オレンジを敷き詰めて
あなたに
朝焼けを見せようとして
名前を呼んでも
その形跡しか探せず
そんな愛のカタチは
すでに失われていたと気づく
見慣れた建物の向こう側
逃げ遅れてしまった
半分だけの月
それを見ていると
悲しみで空は崩れ
失われた愛のカタチが
頬を伝い
それを口にしてしまう
現実ばかりが
とても
苦く
置き去りの部屋では
純粋だけが空回りする
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