妄想家はかくして創られき【詩とは何か祭り参加作品 〜ちびっこからの付録〜】/北村 守通
 
が私にとっては優先課題でした。
だから、自分の気持ちをどう伝えるかだなんて考えもつきませんでした。
さて、その妙ちくりんな姿勢を矯正し、「言葉はデジタルで詩にはいっぱい穴があるんだ!」なんて思うようになったきっかけとなった詩は三好達治の『アンファンスフィニ』でした。この詩は二人の作曲家によって曲を与えられています。一人は木下牧子、そしてもう一人は多田武彦によってです。全く別の作曲家が創っているのですから、当然曲想が全く違います。私達は木下牧子の曲バージョンを歌ったのですが、多田武彦バージョンを聴いたとき、確かにこれもありかな?と感じました。

二次的な創造性、というものの存在を考えるように
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