ALICE‐不思議ともう一つの国‐/愛心
 
たしの目の前に 小さな館が現れる



あたしの背丈程度しかない扉 

軽く触れただけで開いた





『ウサギ……?』



積み重なった本の山

キラキラと 夕闇に染まるステンドグラス



その光を纏った 少年


安楽椅子に座り こちらを向いた



【摑まっちゃった】

にっこり笑い 金時計をかざす

【もうすぐ止まっちゃうね】

【どうする?】

『貴方を摑まえて 貴方と みんなの望みを叶えるよ』



彼が眉根を寄せる
そして 意地悪く 悲しそうに笑った

【君は 僕
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(5)