秋田でもらった詩集1「北の詩手紙 第一号」/イダヅカマコト
 
ですが、「クモノス」の光の網に小鳥の命と死の瞬間がこの詩の中では確かに捉えられています。


詩の他にも参加者によるエッセイも掲載されており、この中では、死期の近いと思われる知人が突然ご自身の家にやってくるという白木絵里さんの「懐かしい」というエッセイに胸を衝かれます。

何年も何年も前から変わらぬ通りを車の中から見るM岡さんは、一つ一つ店や工場を見つけて、自分の記憶のままのの通りに「なつかしいなぁ」と呟きつづけます。死を前にした挨拶まわりの中で、M岡さんが自分で死期を選んでいるのではないかという白木さんの視線の暖かさを感じられます。

彼女の「木」という詩は「桜の木の下に埋まる死体
[次のページ]
戻る   Point(1)