km/h/
R
深夜2時。
車の窓を全部開けて走る。
少し冷たい夏の終わりが少しずつ距離を明確にするから、
夜に引きずられないように、スピードをあげる。
例えるなら「切ない」ってこういう夜の事で、
流れていく時間と風と、当たり前だった誰かの空気と、
ひそやかな約束も流れてしまうような夜と曖昧な季節の終わりとで。
赤いテールランプが流れる密室の百鬼夜行。
窓を閉めて閉じ込めた。
だから夏の終わりは憂鬱なんだ。
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