硝子細工を/セルフレーム
 

あの頃の空に似た、

私の、

命の結晶。


硝子細工を


あるとき突然、光が見えなくなった。

それを畏れていたわけでは無い。
それを理解していたわけでも無い。

ただ、
悲しくなってしまった。

君がくれた黒いコートも、
気に入っていたクリムゾンレッドのノートPCも、
長年暮らした四畳半も。

見れなくなってしまうと、悲しい。


君と離別した今も、
君の匂いが残ったものを大切にしている。

コートも、PCも、四畳半だって、
全部、君の匂いが染みついている。

―光が、見えないのは、こんなに悲しいことだったか?

君とで
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