屋上、太陽、揺れる水/セルフレーム
 
貴方が好きでいてくれる

私のままでいたいの


屋上、太陽、揺れる水


雨上がりの屋上。9月の放課後。
貴方がどうしてもと言うから、楽器の練習に付き合ってあげることにした。

4階の階段を上がって、金属の扉を開けた。

「ありがとう」

秋の太陽が、暮れかけている。
貴方はそっと、鞄と身体を起こした。

水溜りが、風で揺れる。

誰もいない屋上。
蒼と橙の空に、沈みゆく太陽。
奏でられる音に、震える水。

貴方の奏でるユーフォニウムの音が、遠くに聴こえる。

「転校するんだ」


ユーフォニウムを奏でる不器用な指、

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