あとさき、いままで/猫のひたい撫でるたま子
 
沢山の名前を捨てて、
時間を捨てて、
記憶を置き去りにして

日常を泳いでゆく


終わらない

終わらせようともしない

ただ

貝のように


色なんて無色でいい

名前もいらないな

何者でもなくなったって

私はここにいたい

私だということだけで、失うことに十分な量



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