星屑ノ唄 /
服部 剛
今日も列車はゆっくりと走り出す
人々が不安げに見る
車窓の外の遠い山に身を埋める
観音像は
すべてを識(し)っているように
瞳を閉じる
自分で望んだ記憶も無く
あの日地上に産み落とされた、僕等。
人生という不可解な列車に
何故か乗り合わせた、僕等。
( 願わくば 今日逢うあなたに 一輪の花を )
いつか
この道の遠い彼方で
僕等は独りずつ、消えてゆく。
世界に誰もいなくなる日
夜空に散らばり
昇る
無数の星屑
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