壊れてゆく世界の中で モノクロームの夢を見る/皆月 零胤
 
      絶望的な希望の唄を この世の果てで口ずさむ


崩れかかった廃墟に囲まれ 頭の中で鳴るメロディー
今にも消えてしまいそう

虚ろな偽の灰色の瞳は 透明さを無くしたガラス
自分の姿も映さないんだ

このまま眠れず夜を過ごし やがて昇る朝日に焼かれ
きっと灰になるんだね

真冬の冷たい北風に 跡形もなく吹き飛ばされて
壊れかかった世界の中から この存在を消しておくれ

ここから僕が出られるように 決して泣かないことにしていた
頬をつたう涙は赤く モノクロームの世界を壊して
閉じ込められてしまうから


  この世界が壊れてしまう前に ここから出ようと
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